M邸　茶室

伝統的な和室を現代の茶室へと昇華させたリノベーションです。畳の床からは豊かないぐさの香りが立ち上り、壁面には越前の職人が一枚一枚漉いた和紙を採用しました。天井は、平天井と掛け込み天井を組み合わせ、繊細な網代組みが美しい陰影を生み出します。最大の特徴は、フレームを排した襖。枠のない開口部が空間に軽やかさをもたらし、古典的な茶室の佇まいに現代的な抽象性を与えています。伝統技法を用いながら、余分な要素を削ぎ落とすことで実現した、静謐でミニマルな空間です。

カテゴリー：renovation
場所：兵庫県
用途：茶室
構造形式：W
規模：2F